もし90年代の俺に「お前、将来スマホで映画観てるぞ」と言ったら
どうも、こんにちは。
ぎっくり腰を経験してからというもの、日常のあらゆる動作が「細心の注意」を払うようになっています。くしゃみ一つで天を仰ぐ生活。皆さん、腰は大切にしましょう。
さて、そんな腰の痛みとともにふと考えたことがあります。
もし、タイムマシンがあって、中高生の頃の自分(まだ腰がゴムまりのように弾んでいた1990年代後半の俺)に会えたら。
今の僕の生活を伝えたとして、彼は一体何を思うでしょうか。
特に「映画との付き合い方」。これ、当時の僕からしたら完全にSFの世界ですから。
TSUTAYAの「新作」の棚は、まさに戦場だった

僕らが中高生だったあの頃。 映画を観るというのは、今よりもずっと「肉体労働」に近いイベントでした。
土曜の夜、小遣いを握りしめ、チャリを激漕ぎして地元のTSUTAYAへ向かう。
目当ては、雑誌『ストリートジャック』や『BOON』の片隅で紹介されていた、ちょっとマニアックな映画や最新の話題作。 でも、棚にあるのは無慈悲な「貸出中」の空ケース……。
あの時の絶望感と言ったらありません。返却ボックスの周りを不審者のようにうろうろして、店員さんが品出し用のワゴンを押してくるのをハイエナの目で見守る。 運よく「新作」の透明ケースを手に取れた時のあの高揚感。今の「クリック一発」では絶対に味わえない、狩猟本能に近い喜びがありました。
ようやく借りられたVHS(まだDVDは高嶺の花だった)をデッキに突っ込む。 前の利用者が巻き戻しを忘れていて、いきなり砂嵐やスタッフロールから始まる時の「おい!」っていうあの徒労感。懐かしすぎて、今ならそれだけで酒が飲めそうです。
「4つの神器」を使い分ける、映画貴族な未来
そんな当時の俺に、今の現状を伝えてみたい。
「いいか、お前。将来は、電話機(しかも無線だ)で、電車に乗りながら映画を観るようになるぞ」 「しかもお前、Netflix、Amazon Prime、Hulu、さらにディズニープラスまで契約して、常に数万本の映画を従えてるんだぞ」
中学生の俺なら、確実に鼻で笑うでしょう。「そんなのハリウッドスターの暮らしじゃん」って。
当時の僕らにとって、映画1本を「所有」したり「いつでも観られる状態」にするのは、ものすごくハードルが高かった。 『ポケットいっぱいの涙(Menace II Society)』や『カラーズ 天使の消えた街』なんて、輸入盤屋やマニアックなビデオ店をハシゴして、やっとの思いで探し出した「宝物」だったはず。
それが今や、寝転がりながら「今日はNetflixの気分かな、それともHuluかな」なんてザッピングしている。 贅沢を通り越して、もはや情報の海で溺れているような感覚です。
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それでも「ジブリ」は金曜の夜にやってくる
そんな風に、映画を観る環境は激変して、最新作がスマホで垂れ流される時代になりましたが、ひとつだけ「完全に時が止まっている現象」があります。
そう、「金曜ロードショーのジブリ」です。

4つのサブスクを使い分け、何万本もの映画にアクセスできる立場になっても、金曜の夜にテレビから『ナウシカ』や『ラピュタ』が流れてくると、結局手を止めて観入ってしまう。これ、不思議ですよね。
「お前、大人になっても、バルス!の瞬間にTwitter(あ、今はXか)で盛り上がったりしてるんだぞ」 当時の俺に教えたら、「まだテレビでやってんの!?」と驚くか、あるいは「ジブリだけは別格なんだな」と納得するか。
どれだけ高画質な配信技術が進化しても、金曜ロードショーのロゴと一緒に流れるあのワクワク感だけは、昭和生まれのDNAに刻み込まれている気がします。
1.5倍速という「怪物」と、失われた「無駄」
でも、便利になった代償に、何か大切なものを落としてきた気もしています。
今の世の中は「タイパ(タイムパフォーマンス)」の時代。 Netflixで1.5倍速で観たり、Huluでちょっと退屈なシーンを10秒スキップしたり。 昔は、300円払って借りてきたビデオが、たとえ救いようのないクソ映画(失礼)だったとしても、「せっかく借りたんだから」と、血を吐く思いで最後まで観たものです。
でも、その「苦行のような時間」の中に、意外と今の自分を形作るカッコいいファッションの着こなしや、刺さる劇伴が隠れていたりしたんですよね。 効率を求めて飛ばした10秒の中に、実は一生モノの衝撃が詰まっていたかもしれない。
今の僕がディズニープラスで『スター・ウォーズ』の新作をサクッと観ている横で、当時の俺はボロボロのテープが擦り切れるまで同じ映画を繰り返し観て、登場人物のセリフや靴の紐の結び方まで暗記していた。 どっちが幸せかって言われると、ちょっと考え込んでしまいます。
結局、おじさんは変わらない
スマホでサブスクを使い倒し、暇なときにブログを書く、40手前のおじさん。
デバイスはVHSからiPhoneに変わったけれど、画面の向こう側のカルチャーに目を輝かせ、気に入ったスニーカーを必死に手入れしている本質は、あの日TSUTAYAの店内で「新作」の札を奪い合っていた頃から、一歩も進んでいない気がします。
もし、当時の俺に一つだけアドバイスできるなら、こう伝えたい。
「映画の観方は変わるけど、お前の趣味は40歳になっても1ミリも変わらない。ジブリも相変わらず金曜日にやってるから安心しろ。あと、30代最後にぎっくり腰になるから、今から腹筋だけは鍛えておけ」
そんなわけで、今日も腰を労わりながら、サブスクの海を漂おうと思います。 次は、どの映画で「あの頃」にトリップしましょうかね。
違う記事で映画紹介なんかしちゃってるからぜってー見てくれよな!
腰痛持ちにおすすめ




