こんにちは!
80’s、90’sと来て、ついにフィナーレの第三弾!
ちょっと2000年代の映画が多かったもんで3部構成にしやした。
前の記事読んでない人は是非読んでみてください
2000年代のヒップホップは前半と後半でまさに激動の時代と言えるんじゃないでしょうか?
2000年代前半はエミネム、ジェイ・Z、ナズ、50セントなどが活躍し、ヒップホップはアメリカのポップカルチャーの中心へ。
そしてアトランタを拠点とするアーティスト(Lil Jon、Ludacris、T.I.など)が注目され、南部特有のサウンド(クランクやトラップの前身)が人気に商業的成功とメインストリーム化した印象。ちなみに僕はサウスが大好物です。
そして後半はT.I.やYoung Jeezy、Gucci Maneらが登場し、現在のトラップミュージックの基礎を築きました。
YotubeやMyspaceでセルフプロデュースしてデビューするアーティストが増えた印象、Soulja Boyが正にそれ。
2000年代の映画はアーティストの半生や成功への道のりを描いた作品や、伝説的なアーティストやグループの物語を詳細に描き出した作品などで観客はより深くヒップホップの世界に触れることができるようになったと思います。
2000年代以降:ジャンルの拡大と真実の物語
2000年代の映画はアーティストの半生や成功への道のりを描いた作品や、伝説的なアーティストやグループの物語を詳細に描き出した作品などで観客はより深くヒップホップの世界に触れることができるようになったと思います。
THE WASH(2001)
ドクター・ドレー演じるショーンと、スヌープ・ドッグ演じるディー・ロックはルームメイト。
だけどお金がなくて家賃が払えない。
ほんで、ディー・ロックが働いてる洗車場「The Wash(ザ・ウォッシュ)」で、ショーンも働くことになるんだけど、ちょっと偉そうな立場になっちゃって、2人の関係がギクシャクしちゃう。
そんな中、洗車場のオーナーが誘拐されちゃって、そこからはドタバタの展開。
2人がケンカしながらも協力して、なんとか救出しようと頑張るっていうストーリー。
しかも、最後の方ではエミネムがやばい元従業員として登場して、武器持って暴れたりして、もうカオス!
めっちゃゆる〜いノリのヒップホップ・コメディって感じ。
笑えるし、2000年代初期のアメリカ西海岸の空気感がギュッと詰まってる。
ストーリーは良く言えばシンプルだけど、ラッパーたちのキャラとか、掛け合いが面白くて、ヒップホップ好きにはたまらない一本。
この映画の魅力
- ドクター・ドレー&スヌープ・ドッグのW主演!
- エミネム、リュダクリス、エグジビット、シャキール・オニールなど、ヒップホップ&NBAのスターといった超豪華なゲスト
- 深く考えず笑って楽しめる、典型的な“ながら観OK”映画。
- ロサンゼルス感満載。西海岸のファッション、カルチャー、ノリが全部つまってる。
How High(2001)
主人公はメソッド・マン演じるサイラスとレッドマン演じるジャマールの2人。
ある日、親友のアイボリーが事故で死んじゃって、その遺灰を使って新しい草(マリファナ)を育てるんだけど、なんとその草を吸うと…アイボリーの幽霊が見えるようになる!
で、その幽霊にカンニングさせてもらって、相棒のジャマールと一緒に、なぜかハーバード大学に合格しちゃう。
当然、ハーバードでの生活はめちゃくちゃ。変わり者の2人が真面目で堅物な学生や教授たちとぶつかりながら、笑いあり、ハチャメチャありの毎日を送るっていう感じ。
この映画は基本的にコメディで、マリファナネタとか、カルチャーギャップ、自由すぎる学生生活をぶっ飛んだノリで描いてるから、深く考えずに笑いたいときにピッタリって感じの作品。
この映画の魅力
- メソッド・マン&レッドマンの自然体でテンポのいい掛け合いが最高。
- 「幽霊が試験を手伝う」「マリファナで天才化」など、ツッコミどころ満載の展開が笑える。
- HIPHOPカルチャー全開!音楽、服装、ノリの良さが全編を通して楽しい。
- 難しいテーマなし。頭を空っぽにしてただ笑える、まさに“スカッと系”コメディ。
SCRATCH(2001)
SCRATCHは2001年に公開された、ヒップホップの“DJ文化”にフォーカスしたドキュメンタリー映画。
いわゆるストーリー仕立ての映画じゃなくて、リアルなアーティストたちに密着して、インタビューやライブ映像を通して「ターンテーブリズム」を掘り下げていく作品。
登場するのは、DJ Qbert、Mix Master Mike、DJ Shadow、Cut Chemist、Grand Wizard Theodore なんかの、伝説級のターンテーブリストたち。
内容としては、ヒップホップがどうやって生まれて、DJがどうやって進化してきたかをたどりながら、「スクラッチ」っていう音の魔法がどう作られてきたのかを見せてくれる感じ。
たとえば、
- どんなふうにターンテーブルで音を操るのか
- スクラッチってどこから来たの?
- 昔のバトル文化ってどんなだったの?
- MPCやサンプラーの話も出てくるよ
みたいな感じで、ヒップホップの裏側をしっかり見せてくれる。
ざっくり言うと「DJってヤバいことしてんだな」って、見るとリスペクトが深まる系の作品。
ヒップホップの“聴き方”がちょっと変わる。
この映画の魅力
- DJ Qbert、Mix Master Mike、DJ Shadowなど、リアルなレジェンドの姿が見られるのはアツい。
- グランド・ウィザード・セオドアが「どうやってスクラッチを思いついたか」みたいな話が聞けて超貴重。
- MPC、サンプラー、レコードの選び方、セッティングまで。作る側の視点でヒップホップを知れる。
- クラシックなビートも、バトルのスクラッチ音も、全部ライブ感があってアガる。
8 Mile(2002)
舞台はデトロイトの“8マイル・ロード”っていう、貧困層の白人と黒人の生活圏を分けるリアルな境界線のある地域。
主人公はジミー(=通称「B-Rabbit」)、工場で働きながらラップバトルでのし上がろうとしてる若者。でも貧乏だし、家もグチャグチャ、恋も上手くいかない、仲間も不安定…って感じで、何もかもがうまくいかない日々。
それでも、ラップだけには魂を込めてて、「自分の声を、武器に変えたい」って本気で思ってる。
物語はそんな彼が、自信をつけて、恐れを乗り越えて、ラップバトルの世界で本物になっていくまでを描いてる。
「下から這い上がるストーリー」としては、めちゃくちゃ熱い。
しかも、この映画、ただのフィクションじゃなくて、エミネム本人の人生をベースにした“半自伝的作品”ってところが最大のポイント!
要するに、これは単なるラップ映画じゃなくて、「自分の弱さごと全部ぶつけて、マイクで人生ひっくり返す物語」。
観終わったあと、きっと「自分にもやれるかもしれない」って思える。
そんなパワーがある一本。
私は当時この映画を見終わった後にサントラとアルバム『Eminem Show』を買って帰った気がする。
この映画の魅力
- 特にラストのラップバトルは鳥肌モノ。言葉のキレ、間、ビートの乗り方、全部ガチ。
- 白人なのに黒人文化の中でラップする違和感、自分の立ち位置の苦悩がめちゃくちゃリアル。
- 演技、カメラワーク、空気感…全部がリアルで自然。ハリウッドっぽい派手さじゃなくて“本物感”がある。
- 『Lose Yourself』はアカデミー賞も受賞。しかも歌詞が映画のメッセージそのまんま。まさに魂の1曲。
2PAC:RESURRECTION(2003)
タイトル通り、「伝説のラッパー2PACが、自分の人生を振り返る」という内容になってるんだけど、普通のインタビュー形式じゃないのが最大の特徴!
なんと、2PAC本人の音声で進行していくんですよね。
過去のインタビュー音声、詩、ラップ、テレビ出演などを使って、まるで本人が天国から語ってるかのような構成になってるのがめっちゃカッコいい。
彼の生い立ち(ブラックパンサーの母を持つ家庭環境)、ストリートでの経験、音楽での成功、東西ラップ抗争、そして命を落とすまで…すべてが本人の言葉で語られるから、ものすごくリアルで説得力がある。
ビジュアルもライブ映像やプライベート映像、未公開写真、ニュース映像なんかがテンポよくミックスされてて、まさに「2PACという人間の魂を追体験する」ような作品になってる。
ざっくり言えば、「これは伝説じゃなくて、ひとりの人間・2PACの”叫び”をそのまま感じる映画」。
見終わったあと、「2PACってやっぱ特別だったんだな…」って心から思えるはず。
この映画の魅力
- 反骨、怒り、愛、知性、矛盾…ニュースや噂では見えない“人間2PAC”がちゃんと見える。
- 黒人の歴史、警察暴力、差別、教育、貧困…彼のリリックや発言が全部、時代のリアルを映してる。
- 「俺たちは自分で未来を変えなきゃダメなんだ」っていう意識が、めちゃくちゃ強い。
- 「こんなに強くて繊細で、世界を変えたかもしれない人が、25歳で命を落とす」という事実が重い。
- 『Keep Ya Head Up』『Changes』『Hail Mary』など、2PACの名曲がたっぷり使われててファン必見。
YOU GOT SERVED(2004)
物語の中心にあるのは「ストリートダンス」と「仲間」と「夢」。
つまり、汗・友情・ビートの青春バトルもの!
主人公は、LAのストリートでダンスクルーとして活動するデビッド(オマリオン)とエルジン(マーカス・ヒューストン)。
2人はダンスバトルで名を上げつつ、お金も稼ごうとしてるんだけど、チーム内の裏切りや家族問題、さらにはヤバい敵クルーとの対決とか、いろんな壁が立ちはだかる。
で、最終的には超デカいバトル大会に出場して、自分たちのダンスで“全部ぶっ倒す”っていう展開になる。
ストーリーは割と王道なんだけど、とにかくダンスシーンが熱い!
B2Kのメンバーが主演してるから、踊りのクオリティもガチ高いし、ビートに乗るノリとエネルギーが半端ない。
ざっくり言えば、「踊ることで人生を変えようとする若者たちの青春バトルムービー」。
音楽とダンスに魂を込めた人たちの“闘い”を見せてくれる1本。
ダンス好きはもちろん、熱い青春モノが好きな人も絶対楽しめる作品!
個人的にはTimbaland & Magoo – Drop feat. Fatman Scoopこの曲が一番かっこよく聞ける映画
この映画の魅力
- ストリートのノリ全開、ブレイク、ポップ、バトル系のムーブが詰まってて見応えバツグン。
- 当時のR&B、HIPHOPの名曲がガンガン流れて、映像と音のシンクロ感が気持ちいい。
- ただの趣味じゃなくて、「これで勝たなきゃ明日がない」っていうストリートの空気がリアル。
- ただ踊るだけじゃなくて、「やられたらやり返す!」っていうバイブスが伝わってくる。
GET RICH OR DIE TRYIN’(2005)
命懸けで這い上がった男のリアル”を描いた作品。
主演はもちろん50 Cent(本人役みたいなもん)で、内容はほぼ彼の実体験ベースの半自伝的ストーリー。
主人公・マーカスは、ニューヨークの貧困街で育った若者。
幼い頃に母を亡くし、頼れる大人もいない中で、ドラッグディーラーとして生きていくしかない現実。
だけど心の奥では、「ラップで成功したい」って夢をずっと持ち続けてる。
ある日、抗争に巻き込まれて銃弾を9発も受けるという衝撃の事件に遭いながらも、奇跡的に生還。
そこから「このまま終わらせねぇ」と立ち上がって、音楽で道を切り拓いていくっていう、まさにタイトル通りの展開。
ドラッグ、暴力、裏切り、家族、夢、命…全部がリアルで生々しい。
言ってしまえば、これは50 Centの人生のマイクドロップって感じ。
要するに、『Get Rich or Die Tryin’』は「死ぬ気で掴みに行くって、こういうこと」っていう、ヒップホップ界の“リアル成り上がり伝”。
言葉ひとつ、ビートひとつに命を賭けてる男の姿が、めちゃくちゃ刺さる映画。
この映画の魅力
- 母の死、ドラッグビジネス、9発の銃弾…フィクションに見えるけど、これほぼ“実話”。
- ヒップホップが「夢」じゃなくて「武器」であり「命綱」だった時代の空気が伝わってくる。
- 仲間の裏切り、麻薬戦争、警察の圧力…成功の裏にある闇の部分もしっかり描写。
- 監督はジム・シェリダン(『イン・アメリカ』の人)社会派ドラマの名手が撮ってるから、単なるギャング映画じゃなくて“人間ドラマ”になってる。
BLOCK PARTY(2005)
『BLOCK PARTY』は2005年に公開された音楽ドキュメンタリー。
簡単に言うと、「コメディアンのデイヴ・シャペルが、“最強に自由でヤバいストリート音楽フェス”を自分の手で開催しちゃった記録」。
場所は、ブルックリンの街角。観客は地元の人たち。
だけどステージに立つのは、ヤバすぎるレジェンドたちばっかり!
カニエ・ウェスト、ザ・ルーツの生演奏、エリカ・バドゥ、コモン、モス・デフ、ジル・スコット…そしてなんと、フージーズが再結成して出演(ローリン・ヒルも!)
しかもこの映画、ただライブを見せるだけじゃない。
デイヴ・シャペルが街の人に声かけたり、チケット配ったり、観光バスで田舎のマーチングバンドを呼んだりと、「フェスをゼロから作る工程」もすごく人間味あって楽しい。
政治も差別も貧困もあるけど、それでも「音楽とユーモアで人をつなぐ」っていう、ピュアであったかい空気が最高。
ざっくり言えば、「音楽で人をひとつにした、伝説のストリートフェスの全記録」って感じ!
これまでBLACK MUSICを聴いてない人こそ見て欲しい、いや見せたい!そんな作品。
この映画の魅力
- カニエ、ローリン・ヒル、ルーツ、エリカ・バドゥ…マジで今じゃ二度と見れない神ラインナップ。
- 皮肉もジョークも入れつつ、「分断よりも笑顔と音楽でつながろうぜ」っていう優しいメッセージが沁みる。
- セット組み、バンドリハ、出演者との会話まで…ドキュメンタリーとしても超おもしろい。
- ローリン・ヒルが登場した瞬間、空気が変わる。鳥肌やばい。
NOTORIOUS(2009)
ラッパー “ザ・ノトーリアスB.I.G.” こと クリストファー・ウォレスの人生を描いた伝記映画。
この映画のスゴいところは、「ストリートからマイク1本でのし上がったラッパーのサクセスストーリー」としても、「ヒップホップの光と闇」を映すリアルなドラマとしても成立してるところ。
舞台は90年代のニューヨーク。
貧しい家庭に育ち、10代でドラッグディーラーに。だけどラップの才能を見出され、プロデューサーのショーン・“パフ・ダディ”・コムズ(現Diddy)と出会って、”B.I.G.”という伝説が動き出す!
「Juicy」や「Big Poppa」といったヒットで一気にスターへ。
でも fame(名声)と money(金)を手に入れても、過去やトラブルはついて回る。
2PACとの確執、東西抗争、メディアのバッシング、仲間とのすれ違い…
そして1997年、まだ24歳という若さで、ロサンゼルスで銃撃され命を落とす。
この映画は、そんな天才ラッパーの“リアルな軌跡”と“ヒップホップ界の時代背景”を、ガチで再現した作品。
「ヒップホップで夢を叶えた男が、同時にそれに殺されるまで」を描いた、切なくもパワフルな伝記映画。
ラッパーとしての凄さだけじゃなくて、1人の息子・父・友人としての顔も見えるから、見終わったあとは「B.I.G.ってただのレジェンドじゃなかったんだな」って思えるはず。
この映画の魅力
- 主演のジャマール・ウーラードが激似&演技力ヤバい!本人の動き、喋り方、ステージングまでリアルすぎる
- 「Juicy」「Hypnotize」「Warning」などがシーンごとに効果的に流れてテンション爆上がり。
- 2PACとの友情と確執の描写がリアル。最初はリスペクトし合ってた関係が、誤解とメディアに煽られて壊れていく流れが悲しすぎる。
- 名声と金を得た代わりに、愛する人との距離や、自分自身を見失う痛みが見えてくる。
あとがき:2000年代の結論
この時期に目立ったのが、アーティスト自身の物語を描いた作品。
『8 Mile』 はエミネムの半自伝的なドラマで、彼の成功への道のりを描いてアカデミー賞も受賞した。
同じように、50セントの壮絶な半生を描いた『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』 も話題になりました。
音楽だけでなく、ライフスタイルやカルチャー全体を切り取った作品が増えて、より多くの人がヒップホップの世界に触れるようになったんじゃないかと感じます。
伝説的なラッパー、ノトーリアスB.I.G.の生涯を描いた『ノトーリアス』 も、ファンにとっては見逃せない作品だったんじゃないかなーと。
お次は2010年代、あの伝説的グループの映画も出てきます。
鋭意執筆中なのでしばしお待ちを!
今すぐAmazonプライムで2000年代ヒップホップ映画を体感しよう!
この記事で紹介した名作以外にもイケてる映画をAmazonプライムなら今すぐ視聴可能!
さらに、初回登録なら30日間の無料体験付き。映画だけでなく、音楽・本・配送特典もぜんぶ楽しめる。
音も映像も文化も、一気に“体験”しよう。
【Amazonプライム無料体験はこちら】