ご無沙汰してました!
しばらくサボってましたがついに復活というわけで、今回はかなりボリューム満点な内容となっておりやす!
映画とヒップホップカルチャーって、実はすごく深い繋がりがあるんです。
映画は、ヒップホップがどう進化してきたか、そのエネルギー、そして社会的な意味合いを伝える、めちゃくちゃ強力なツールになってきました。
いろんなメディアで「最高のヒップホップ映画」リストが何度も出てくることからもわかるように、この二つの世界が交わる場所には、みんな強い関心を持っているんですね。
初期の作品から最近の伝記映画やドキュメンタリーまで、リストアップされる映画は本当に多彩です。
これは、どんな映画が「重要なヒップホップ映画」なのかについて、いろんな意見があるってことでしょう。
例えば、『ワイルド・スタイル』や『ビート・ストリート』といった初期のヒップホップ映画の成功とカルチャーへの影響は大きくて、その後の映画にいろんな可能性を示しました。
アーティストの苦悩を描いたものから、コメディや伝記的な側面を掘り下げたものまで、本当に幅広いです。映画を通して、ヒップホップカルチャーは世界中に広がり、音楽やダンスはもちろん、社会批評や個人的な物語まで、その多様な要素が世界中の人々に届けられてきました。
日本語でこのテーマに関心を持つ人がいるってことは、まさにそのグローバルな広がりを物語っています。
今回はタイトルからお分かりの通り、ヒップホップという音楽ジャンルと映画の関係というか、題材にヒップホップのカルチャーが含まれる映画を紹介していこうという企画!ね、楽しみでしょう?
というわけで前置きはここまでにして、本編スタート
初期のヒップホップを捉えた映画(1980年代)
ここでは、初期のヒップホップカルチャーを初めて本格的な映画の世界に持ち込んだ、画期的な作品たちにスポットを当てていきます。
※あくまで中の人が知ってるだけだからね?これ無いよ?とかは無しで
Wild Style(1982))
このジャケット見てピンときたヘッズも多いでしょう!
『ワイルド・スタイル』は、ヒップホップ映画のパイオニアとして広く知られています。
この映画は、ニューヨークで生まれたばかりのヒップホップシーンをリアルに描き出し、ストリートアート、ラップ、ブレイクダンスを鮮やかに織り交ぜています。
物語の中心は、グラフィティアーティストのレイが、ヒップホップコンサートの舞台背景を依頼されるというもの。
でも、この映画のすごいところは、1970年代後半から1980年代初頭にかけてニューヨークで発展した、豊かなヒップホップサブカルチャーのドキュメンタリー的な側面を強く打ち出しているところなんです。
この作品が「最初」であり、しばしば「最高」と評されるのは、映画におけるヒップホップの地位を確立した、その非常に重要な役割を物語っています。
グラフィティ、DJ、MC、ブレイクダンスというB-BOYの4つの要素に焦点を当てることで、このカルチャーのルーツに関する基本的な理解を与えてくれます。なんなら教科書
ファブ・ファイブ・フレディやグランドマスター・フラッシュといった、当時のヒップホップシーンを代表する人物たちが本人役で出演していることも、映画にリアリティを与え、新興のヒップホップコミュニティの共感を呼びました。
Style Wars(1983)
『Style Wars』は、1980年代初頭のニューヨークで急速に広まりつつあった「ヒップホップ文化」を取り上げた作品で、とくにグラフィティに焦点を当てています。
また、ブレイクダンスやラップといった当時の若者たちのストリートカルチャー全体を映し出しており、文化的にも歴史的にも非常に貴重な映像資料とされています。
1980年代初頭、ニューヨークの若者たちは、貧困や差別、荒廃した都市環境の中で、自分たちの「表現の場」としてグラフィティを選びました。彼らは夜な夜な地下鉄の車両にスプレーで絵や文字を描き、自分のスタイルを主張していきます。
映画は、有名なグラフィティ・ライターである、Seen(シーン)、Kase 2(ケース・ツー)、Skeme(スキーム)などの活動を追いながら、彼らがなぜグラフィティに没頭するのか、どんなリスクを冒しているのかをインタビューや密着映像で描いていきます。
一方で、市や鉄道会社はグラフィティを「破壊行為」とみなし、徹底的に取り締まろうとします。ニューヨーク市長やMTA(都市交通局)の職員、一般市民のインタビューも登場し、グラフィティをめぐる表現と規制の対立が鮮明に描かれます。
また、当時台頭してきたブレイクダンスやラップのパフォーマンスも収録されており、初期のヒップホップ文化全体の熱気を伝える内容になっています。
ドキュメンタリーなので、ブレイクダンスやヒップホップ音楽のリアルを見れるのでオススメ
BEAT STREET(1984)
『ビート・ストリート』は、都会のストリートカルチャーの世界を体験させてくれる映画です。ダンスバトルと芸術的な表現を通して、若者たち青春ドラマとなっています。
プロデューサーはチャリティソング「We Are The World」の発起人である大御所ハリー・ベラフォンテ。
物語は、サウスブロンクスの野心的なDJとその親友であるプロモーターが、ニューヨークの人々にヒップホップ音楽とカルチャーを広めることで、ショービジネスの世界に足を踏み入れようとする姿を描いています。
『ビート・ストリート』は、『ワイルド・スタイル』で紹介されたテーマをさらに発展させ、より多くの観客にヒップホップの存在を強く印象づけました。DJとプロモーションに重点を置いている点は、このカルチャーにおける起業家精神を強調しています。
この映画がヒップホップというジャンルをメインストリームに昇華したことは、初期のアンダーグラウンドシーンを超えてヒップホップを広める上で、重要な役割を果たしたと思います。
『ビート・ストリート』のダンスと音楽へのフォーカスの仕方は、次に紹介する『ブレイキン』のような、他のダンスを中心としたヒップホップ映画に影響を与えたと考えられます。
アフリカ・バンバータ、グランドマスター・メリーメル、クール・モー・ディー、ザ・システム、バーナード・ファウラーなどの大御所も出演しているので必見!
Breakin’(1984)
『ブレイクダンス』(邦題)は、ブレイクダンスに焦点を当てた映画です。
世代によってはこれを見てブレイクダンスを始めた人も多いとかなんとかってバイブル的作品
物語は、自分のダンススタイルを見つけるのに苦労している若いジャズダンサーのケリーが、才能あふれる2人のブレイクダンサー、オゾンとターボに出会い、彼らのユニークな動きに衝撃を受けるところから始まります。
ケリーは彼らのエネルギーと独創性に魅了され、ブレイクダンスを教えてほしいと頼みます。一緒に過ごすうちに、ケリー、オゾン、ターボは強い絆で結ばれ、ジャズとブレイクダンスを融合させた、新しいエキサイティングなダンススタイルを生み出すことを決意します。彼らは街頭でパフォーマンスを始め、革新的なルーティンと、見ている人を惹きつけるエネルギーで、あっという間に注目を集めます。彼らのパフォーマンスは地元のプロモーターの目に留まり、主要なダンスコンテストへの出場をオファーされます。
この機会に興奮した3人は、自分たちのルーティンを完璧にするために懸命に練習し、審査員を感動させ、コンテストで優勝することを夢見ています。そしてついに、ケリー、オゾン、ターボはステージに上がり、独自のダンススタイルの融合を披露する、ダイナミックで衝撃的なパフォーマンスを繰り広げます。彼らの情熱と才能は観客と審査員を魅了し、努力が報われることを願う、スリリングで感動的なフィナーレへと観客を導きます。1984年に公開された『ブレイキン』は、『シックスティーン・キャンドルズ』を超える興行収入を記録し、ヒップホップを映画のジャンルとして確立しました。
ラップのみですが若かりし頃のアイスTもちょっとだけ出演。
KRUSH GROOVE(1985)
映画『クラッシュ・グルーヴ』は、1980年代初頭のヒップホップ文化と音楽業界を描いた音楽ドラマです。実在する音楽レーベル「Def Jam Recordings」の創設と成長をモチーフにしており、ラッセル・シモンズの半自伝的な物語になっています。
舞台は1980年代初頭のニューヨーク。
主人公のラッセル・ウォーカーは、兄のカーティスと共にインディーズの音楽レーベル「Krush Groove」を立ち上げ、無名の才能あるアーティストたちの音楽を世に出そうと奮闘していました。レーベルは、Run-D.M.C.、The Fat Boys、LL Cool Jといった将来のスターたちの原石を抱え、次第に注目を集めていきます。
しかし、レーベルの急成長に対して資金面が追いつかず、レコーディング費用やプロモーション費用を捻出できずに苦しむようになります。銀行の融資も断られ、どうしても資金が必要になったラッセルは、やむなく裏社会の高利貸しに手を出してしまいます。この決断が、彼自身やアーティストたちの未来を大きく左右することになります。
一方で、アーティストたちの間にも、名声と成功へのプレッシャーから摩擦やすれ違いが生まれます。Run-D.M.C.のメンバーであるDarryl(D.M.C.)とRunの間でも、プロ意識と友情の狭間で葛藤が起き始めます。
また、ラッセルと人気女性シンガーシーラ・E.との恋愛関係も、音楽ビジネスとプライベートの境界を揺るがすものとなっていきます。
物語は、音楽への情熱、仲間との絆、ビジネスの現実、そして裏社会との危うい関係を交差させながら進んでいきます。果たしてラッセルは、Krush Grooveを守り抜き、アーティストたちの夢を叶えることができるのか?
RUN DMC のIt’s Like Thatをカマすシーンは必見!
当ブログでRUN DMCの特集してるので良かったら読んでくださいな
あとがき:80年代の結論
80年代のヒップホップ映画は、まさに黎明期。
この時代、『ワイルド・スタイル』 を筆頭に、ヒップホップカルチャーの主要な要素であるグラフィティ、DJ、MC、ブレイクダンスが初めて銀幕に登場し、そのエネルギーと創造性を世界に示しました 。
これらの初期の作品は、単なるエンターテイメントとしてだけでなく、当時のニューヨークのストリートカルチャーを記録した貴重なドキュメントとしての役割も果たしました 。
『ビート・ストリート』 や『ブレイキン』 は、より広い観客にヒップホップを紹介し、その後のヒップホップ映画の隆盛の礎を築いたと言えるでしょう 。
次はちょっぴりダーティな90年代!
その世代といえばピンとくる映画は思い浮かぶ人も多いのでは?
鋭意執筆中なのでしばしお待ちを!